院試体験記(2024年度版)

これは僕の2024年度東工大数学系院試体験記です。体験記と言いつつ長い日記みたいなものです。普段あまり文章を書かないので文体が統一されてなかったりして読みにくかったらすみません。あまりまとめる気は無くダラダラ書いているので暇な人だけ読んでください。

院試の説明

2024年度の東工大数学系の院試は8月17日に筆答試験があり、19日に口頭試問があります。筆答試験は午前と午後に分かれていて、午前の数学はだいたい学部2年生くらいまでの知識で解ける必答問題(5題)があって2時間半、午後の数学は専門の選択問題(2題)で2時間です。その後に1時間の英語の試験があります。

あくまでも僕が受けた代の情報なのであまり信じすぎないでください。

院試対策会

始まり

先輩たちから「院試は団体戦だ!」とよく言われていたので、院試が不安だった僕はDiscordで同期たちに声をかけました。

院試が不安な僕

声をかけたのは1月でしたが、メンバーを募ったり曜日を調整したりしていたら結局3月半ばになっていました。

我々の代の院試対策会は、毎週1年分の過去物を解いてきてそれをDiscordの画面共有などでお互いに発表し合うという形式で進めました。午前の問題は共通で解くのでみんなでやって、午後はボイスチャンネルを分けていました。また、参加できなかった人や後で見直したい人のためにGoogleドライブに解いた解答をみんなで共有していました。僕はあんまりドライブに置いてある答案をチェックしなかったけど、たまに指摘をしてくれる人がいてとてもありがたかったです。

最初の週は結構人が集まっていて(たしか初回は10人くらいいた)安心したんですが、気付いたら人がどんどん減っていって悲しかったです。原因は大体わかっていて、おそらく対策会の開催時間を午前10時にしたことが大きいです。朝起きられなくて参加できないという人や、起きてはいるけど参加しないという変な人が居ました。後輩たちはみんなが起きられる時間(午後とか)にやるといいと思います。

我々の代では2022年度の問題から遡りながら解いていきました。結論として、この進め方は悪くはなかったと思います。ただ、後半は自分が生まれる前の問題とかを解くことになっていて、出題傾向とかが結構違っていました(代数の人が嘆いていました)。ちゃんと過去問をやり切れるなら、昔の問題からやっていくのも悪くないと思います。やりきれなかった場合困るけど。

実際に解き始めた

3月半ばに院試対策会が動き始めました。結構不安だったけど正直思っていたよりも解けた記憶があります。ただ、線形代数が苦手でウンウン唸りながら解いていました。僕は解析の人間なので午後は解析の問題を解いていたんですけど、最初の数年度分は(時間を気にしなければ)問題なく解ける感じでした。しかし、この頃は対策会に来ている解析の人間が僕含め2人しか居なくて、2人とも解けない問題が出てきたら困るなという思いがありました。これは人を増やすのが良いと思い、4月の半ばくらいに同期のとても優秀な人(Mさん)を対策会に直接スカウトしました。ちょうどこれと時を同じくしてこれまた優秀なOさんも参加してくれるようになり、解析はこの4人体制で進んでいくことになりました。これは余談なんですけど、代数は毎回1人しかいなくてかわいそうでした。

本当に午前の線形代数が上手に解けませんでした。めちゃめちゃ計算を頑張って解いた問題を友人がスマートに解いているのを眺めていました。結局本番まで線形代数はよく分からなかったです。じゃあ他の分野は伸びたのかというと、別に成長している実感はあまりなかったです。今思うと、最初は何時間もかけて解いていたけど後半はなんだかんだ時間内に解くことが出来るようになってきていたので、成長していたんだと思います。自分の成長って分からんね。

1個上の先輩の代でも過去問の解答を作って(先輩の代の)ドライブにまとめてくれていて、そのリンクを貰っていたので解けない問題はそれを見たりもしました。ありがとうございます。分からない問題があったので先輩のドライブを見たら「分かんないッピ」って書いてあり、「僕も分かんないッピ…」となったりもしました。ですが、MさんとOさんがめちゃくちゃ優秀で、先輩の代で解けなくて残っていた2問をしっかり解いてくれました。なんか先輩の代の中では僕が解いてくれたということになっているらしいという話を聞いたんですが、解いたのは友人です。これを読んだ先輩がいたら訂正しておいてください。

なんだかんだ毎週1年分ずつ過去問を解き続けて気付いたら8月になっていました。最後に2023年度の問題をやろうという事になったんですが、院試直前なのに午前の問題で苦戦して辛い気持ちになりました。これはちょっと成長を感じた話なんですが、一通り自分で過去問を解き終わったので自分の過去の答案を見直していたら、カスみたいな解き方をしているやつがいくつか見つかりました。めんどくさいから直してないけど。

筆答試験

試験前

いよいよ試験当日になりました。朝6時半に起きようと思ってアラームをかけたんですけど、6時過ぎくらいに自然に目が覚めました。試験当日ってすごいなあと思いました。思ったより緊張はしていなくて、行きの電車ではFAKE TYPE.の曲を聞いていました。これがかなり耳に残っていて試験中も頭の中で流れていました。FAKE TYPE.の曲は試験前に聴かない方がいい。試験会場はもっと内部の人たちばっかりだと思っていたら半分くらい見たことない人で驚きました。試験前に一息ついたら心臓の鼓動がいつもより早いのに気付いて、自覚はないけど緊張しているんだなって思いました。

午前の数学

午前は線形代数が2問と位相が1問、解析が2問出ました。苦手な線形は1問目はすぐ解けて、2問目はいったん飛ばしました。後で戻ってきたら解けたので運が良かったです。位相は期末テストで出ていた問題も含まれている簡単なセットで楽でした。解析は1個単調収束定理を使って解いてしまいました。午前の共通問題なのに。

試験時間2時間半のうち2時間くらいで解き終わりました。比較的解きやすい問題たちでありがたかったです。普通に問題文を読み間違えていたことに試験後に気付いたけど、まあ1問くらいくれてやるわって気持ちでした。

午後の数学

昼休憩は友人と油淋鶏を食べました。

おいしい油淋鶏

油淋鶏を食べて元気モリモリご飯パワー!という事で午後の試験に臨みます。

午後の解析の問題は、複素解析が1問、実解析が1問、函数解析が1問、微分方程式が1問でした。複素の問題は全部有名定理を証明せよみたいなもので、簡単そうでした。複素解析得意じゃなかったから解かなかったけど。実解析と函数解析の問題を解きましたが、これも別にそこまで難しくはなかったです。試験前日に「こういう議論をする問題が出そう」と思っていたことが出ていて、内心ガッツポーズでした。微分方程式の問題は試験中には目も通していませんでした。

こっちも試験時間2時間のうち1時間くらいで答案を書き終えてしまって、結構暇でした。特に複素解析は本を読めば証明が載っているような問題だったし、他も難しくないので良心的なセットだと思います。

英語

英語の試験はマジでカスみたいな問題が出ました。これ英語の試験か?という感想です。

辞書の持ち込みが可能なんですが、数学用語英和辞典みたいなやつはダメみたいです。その場で「それ使えないからね」って言われている人がたくさんいて面白かったです。先にアナウンスしておけ。

筆答試験後~口頭試問

家に帰ってから

筆答試験の翌々日に口頭試問があるので、その間に解き直し会をしようということになっていました。次の日の午前十時までに一回解いた問題の清書をしておかないとなあと思いつつ帰ってからダラダラしてしまいました。夜中の10時半くらいにX(旧Twitter)のスペースをしながら清書を始めたんですけど、思ったより試験で疲れていたらしく、猛烈な眠気に襲われながら清書をしていました。解いた問題は1時間くらいで書き終わって、(本当は選択しなかった問題も解く予定だったけど)眠気に負けて寝ました。

ぐっすり寝ました

解き直し会もいつもと同じ形式で進めました。みんな疲れていてほとんど誰も清書をしていなくて、午前の問題は5問中4問を僕が発表しました。みんなもっと頑張って。また、対策会が終わった後には問題の仮定を外して反例を作ったり、使った定理の証明をしたりしました。

さて、口頭試問は誰でも受けられるわけではなく、口頭試問前日の17時に口頭試問受験資格者が数学系のホームページに貼り出されます。発表まで暇だったので久しぶりにヒトカラに行きました。歌っている最中に17時を迎えたのでスマホでホームページを確認すると、掲示が見つかりませんでした。X(旧Twitter)では口頭試問に進んだ人が喜びのPost(旧Tweet)をしていて、ああ、筆答試験合格者にはメールか何かで届いていて、僕は落ちたんだなと思いました。こうしている間も次々と予約した曲が進みますが、全くカラオケどころではなかったです。しかし、どうやらブラウザか何かの不具合で更新されていなかっただけで、別のブラウザで確認したら筆答試験に合格していました。ホッと胸をなでおろして元気に喉を枯らしました。

口頭試問

口頭試問はZoomが10時に開かれて、1人ずつ順番に待機室から招待される形式でした。僕は11時半くらいに呼ばれたんですが、この待ち時間が一番辛かったです。待ち時間が辛くて待っている間にこの体験記を書き始めました。終わってみると大したことは聞かれなくて、これは受かったやろうなあという感想になりました。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。集合知はえらいので院試対策はみんなでやるのがとても良いと思います。多分僕も1人でやっていたら解けない問題もあっただろうし、友人や先輩には大いに助けられました。改めて同期や先輩方、ありがとうございます。これは院試に限らない話ですけど、とにかく周りを巻き込んでみんなでやるのは大事だと思います。院試は団体戦だ!

 

追記

(2023/9/7)

この体験記を書いたのは口頭試問当日だったので、合否がまだ分からない状態で文を書いていました。先日合否の発表があり、無事合格していました。

うれしいね

「試験めっちゃ時間余りました!」とか「口頭試問余裕でした!」とか言っておきながら落ちてたら目も当てられなかったので、受かっていて良かったです。これでこの記事の信頼度も上がりますね。

 

(2023/9/8)

同期の院試体験記のリンクを以下に載せておきます。

solyu.hatenablog.com

(2023/9/9)

mochi-mochi-tiger.hatenablog.com

(2023/12/7)

成績提供の申請をしていて今日届いたので貼っておきます。

英語100って何?

専門科目が思ったより取れていない感じです。てか英語100って何?